コンプレックスの塊だった夢子。
ビルから転落し、生死の境をさまよう。
「もし生まれ変われるのなら、次はもっと……」
と神に祈る夢子だったが運よく生還。しかし、記憶喪失になっていた。
でも、過去の夢子とはうって変わって超ポジティブ。
今や彼女は自分の過去に対する好奇心で、ワクワクが止まらない。
彼女が自己肯定感を高く維持できている秘密は、”現実をしっかり受け入れ、今現在のベストを探す” を実践しているからです。
ビルから転落し、死の淵から生還した夢子は、こう言い放ちます。
「なくなったのは記憶の一部だけ! 言葉も話せるし、五体満足。 なんて運がいいの!」
この考え方、マイナスをプラスに転じたというよりは、”現実をしっかり受け入れ、今現在のベストを探した” というべきじゃないでしょうか。
ポジティブシンキングやプラス思考っていうと、”自分のダメな点を自覚しながらも、気持ちを奮い立たせるために、無理にでも前向きな考え方をすること” って考える人が多いと思うのですが、
それだとなかなか自己肯定感が高まりません。
夢子の場合はプラス思考とはちょっと違うのです。
彼女はまず、現実をしっかり受け入れるところから始めます。
そして、今現在のベストを探すのです。
ですから、彼女が口にすることはすべて、彼女自身が心の底から思っていることなのです。
つまり彼女は、自分を全くごまかしていないのです。
周りの者たちは夢子を ”見た目” だけで判断するので、彼女の本音を単なるポジティブトークだと受け取ってしまうのですが、夢子はいたって真剣です。
自分で自分をごまかさないので、夢子の自己肯定感は本物です。
ポジティブシンキングやプラス思考は、場合によっては有効ですが、できれば夢子のように、まずは現実の自分を受け入れ、今現在のベストを探したいものです。
絶対的な肯定感だけでなく、人の悪意に鈍感なところがある夢子は、周りに対してズレた応対をすることが多いのですが、そこに彼女の魅力が凝縮されています。
例えば、容姿のことで明らかに悪口を言われたときなど、夢子は、相手のその発言は嫉妬心からのものと受け取り、「あなた達にもそれぞれ素晴らしいところがあるはずよ。もっと自身もって!」と逆に励ますのです。
これにはさすがに相手も、「ありがとう…」と言うしかなくなってしまいます。
このシーンは、ちょっと痛快で清々しくて、夢子の魅力がよくわかります。
また彼女は、人から ”デブでブス” と悪口を言われても、「わたしのこのボディと顔は神様からの贈り物なの」と誇らしげに言います。
決して負け惜しみじゃない、心底そう思っている様子が感じられて、とても清々しい気持ちにさせられます。
この作品は、読めば読むほど、夢子の魅力にどんどん魅せられていきますよ。
夢子は、自己肯定感が高いだけじゃないんです。
次の3つも彼女の魅力の秘密です。
- 相手の立場に立って相手を思いやれる優しさ
- 自分の至らない点をすぐに認める素直さ
- 不条理には断固立ち向かう強さ
まさに夢子は、誰をも魅了する真のヒロイン像を体現しているのです。
夢子の姿を通して、しみじみ考えさせられたのは次の2点です。
- まず何よりも先に、自分自身を認めること。
それが、人の立場を理解したり認めたりすることにつながる。 - 自分の考え方や言動を変えると、周りの自分に対する態度が変わる。
このことを実践できるか出来ないかで人生の楽しさがだいぶ変わるだろうと感じました。
何があろうとも自分を信じて、人を信じて生きる夢子。
彼女の活躍が今後もとても楽しみです。
この作品は、すべての方におすすめできますが、特に、「ネガティブ思考から抜け出したい」、「自己肯定感を高めたい」と思っている方におすすめします。
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