世の中に面白い漫画はいくらでもあると思いますが、何度読んでも飽きない作品って案外少ないですよね。
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』は、その数少ない作品の一つです。
今回は、この作品の飽きない面白さの秘密を紹介します。
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』はなぜ面白さが持続するのか
この作品の面白さのメインは、なんといっても秀逸な会話です。
その会話が何度読んでも面白い理由は、読者の感覚に訴えてくるからです。
それにはまず読者の意識を会話に集中させる必要があります。
そんなわけで、この作品が実践している、”読者の意識を会話に集中させる工夫” と、”その会話を感覚に訴えるものにするための工夫” について紹介します。
読者の意識を会話に集中させる工夫
読者の意識を会話に集中させる工夫として、次の2つが考えられます。
- 会話のシーン以外、極力無駄を省く。
- 会話を必要とする状況が多く選ばれている。
この2つです。
1.に関しては、必要最小限の作画での状況設定と、単純明快なコマ割りで実現されています。
2.に関しては、そもそも会話が出てこないシーンがあまりないのです。
しかも、登場人物たちの全身が描かれることが少なく、ほとんどのシーンが腰から上しか描かれていないことも、読者の意識を会話に集中させる工夫の一つです。
もっと言えば、発言者の顔が描かれていないフキダシだけが、コマに入ることもあるのですが、そのタイミングと内容が絶妙で、思わず何度も読んでしまうんです。
これも、読者の意識を会話に向けさせる工夫です。
いずれにせよこの漫画は、自然と会話に集中できる、会話に特化した作品になっています。
感情よりも感覚に訴える工夫
例えば、「先が読めない展開」や「どんでん返し」などは、感情に強く訴えるかもしれません。
でも、何度読んでも同じように感情が動かされるわけではありません。
感情に訴えるストーリー展開は、何度も読むと飽きてしまうのが普通です。
一方、感覚に強く訴える作品は違います。
何度読んでも、同じように感覚が刺激されることがあるのです。
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』 の特徴は、会話が読者の感覚に訴えるものだということです。
普通は、たとえ「気の利いた洒落」や、「ひねりの効いた落とし噺」であっても、オチを知ったあとでは、何度聞いても面白いというわけにはいきません。
ところが、例えば落語の名人に語らせると、オチがわかりきっていても、何度聞いても面白いものです。
これは、名人の語りには「聞き手の感覚に訴えるもの」があるからです。
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』の会話にはまさにそれがあるのです。
この作品の会話の特徴は次の2つです。
- よく練られているのに、即興のように感じる。
- 話の内容や、オチの面白さで笑わすのではなく、”絶妙な掛け合い” や ”ツッコミの間やタイミング” で笑わす。
これらはすべて、聞き手の感覚に訴えるものです。
これに加えて、”キャラクターの表情” も状況にぴったりマッチして、読者の笑いのツボを刺激するのです。
この感覚に訴える要素が、この作品を、何度読んでも面白いものにしているのです。
まとめ
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』の一番の面白さは、警察官たちの ”何気ない会話” そのものです。
この ”何気ない会話” が読者の感覚に強い印象を残し、何度読んでも面白いのです。
これに加えて、「きれい事じゃすまされない本音」、「しびれるセリフ」、「辛辣な問題提起」、まで盛り込まれているのです。
読者を飽きさせないことにかけては天下一品の『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』。
すべての方におすすめします。
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