『ハコヅメ~交番女子の逆襲』を読んで気分が晴れる理由
あなたは人の愚痴を聞いて気分がスッキリした経験はありますか。
自分の愚痴を人に聞いてもらって気を晴らすことはできても、人の愚痴を聞いて気分が晴れやかになることはほどんどないはずです。
でもこの漫画、下っ端警官たちの愚痴がよく出てくるのですが、不思議なことに ”一種爽やかな浄化作用” のようなものを感じるのです。
愚痴も言わずにひたすら耐える姿を見せられたなら、”健気さ” や ”同情” を感じるかもしれませんが、”余裕” を感じることはありません。
ところが、この漫画に出てくる愚痴を言いまくる女性警官たちには、どこか余裕と頼もしさを感じるのです。
その理由は、たとえどんなに愚痴っていても、彼女たちは、やる時はやる人間たちだからです。
特に、主人公の川合。
彼女は、安定収入だけを目指し、公務員試験を受けまくった結果、警官にしかなれなかった女なんです。
彼女は、警察の仕事に ”生きがい” を感じているわけでもなければ、”使命感” にかられているわけでもありません。
だからいつも不満が絶えない。
そんな川合ですから、身の危険も顧みず自ら進んで犯人逮捕とはいかず、できることなら避けたい。
でも彼女は、心とは反対に体が反応してしまうのです。
愚痴は言うけど、やる時はやる女なのです。
もちろん強い正義感や、使命感からではありません。
ただ、引くに引けない気持ちからです。
ここが実に川合らしいところなのです。
人の命がかかっている仕事だけど、深刻に捉えすぎたら身がもたない。
そうかといって、自分の身の安全だけを考えていたら、仕事にならない。
こんな仕事、とてもじゃないけど続けられない。
でも、引くに引けない。
警察官は、いつもジレンマと戦いながら生きているのです。
こんな大変な仕事を続けられるのは、たとえド新人であろうと、川合のような ”図太くて、骨のある人間” じゃなきゃ務まりません。
そして、骨のある人間の愚痴には、どこか余裕と頼もしさを感じるのです。
愚痴を通して彼女たちのたくましさに触れると、なぜだか気分が落ち着きます。
愚痴の中に垣間見える彼女たちの本音に触れると、なぜだか晴れやかな気分になれます。
一生懸命生きている人間の本音は、人を引きつける魅力があるのです。
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』は、人の ”たくましさ” や ”したたかさ” に触れ、励まされ、勇気をもらい、いつの間にか気分が晴れてしまう、という実に魅力的な作品です。
まだご存じない方には、強くおすすめします。
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