『ワタシ以外みんなバカ』は、2022年現在ネットでは、16巻まで配信されています。
この作品、”性格の悪い勘違い女が最終的に痛い目にあい、スッキリする” という、勧善懲悪タイプの物語とはちょっと違うんです。
確かに、主人公・泉 和代の人間性は最悪です。
- 人に対する配慮や協調性は皆無。
- とにかく自分に都合が悪いことはすべて、人のせいにするか負け惜しみでごまかす。
- 自分より下と判断した相手は、バカにしないではいられない。
- 自分の都合のためには、相手の悪口や陰口を平気で言い、罠をかけて貶めることもいとわない。
ここまで聞くと典型的な腹黒女かと思いきや、和代は、”人にばれないように本心をひた隠しながら他人を貶めていく” といった悪人タイプの腹黒女じゃないんです。
彼女の ”見下し攻撃” は、あまりにもあからさまで開けっぴろげで、笑っちゃうほどなんです。
要するに彼女は、わがままな幼児がそのまま大人になったような存在なのです。
根性がねじ曲がったというよりは、何かが欠落しているといった印象なのです。
確かに、地域社会でこんな女がいたら、一発でアウトな存在ですが、会社という組織の中ではちょっと話が変わってきます。
会社は、和代の長所が活かせる場所と言えます。
実は彼女、仕事もろくにできないのに意識だけ高い、勘違い女じゃないんです。
自分を人に認めさせる努力は惜しまず、失敗してもめげず、いつものし上がることばかり考えているのです。
何事も自分に都合がいいように解釈する癖も、ポジティブ思考と考えることもできますし、いまのところ、人を貶めなければ保てない自己愛や自己肯定感も、健全なレベルならば仕事に必要な要素です。
上司が扱い方を間違わなければ、会社における和代の存在意義は充分にあります。
ただ、他人に対する配慮や協調性がいまのままでは、先は見えたも同然です。
同じ腹黒女でも、ねじ曲がった ”いやらしいタイプ” と、和代のように、何かが欠落している ”単純なタイプ” では、どんな差が生まれるでしょうか。
”ねじ曲がったものをもとに戻す” ことと、”欠けているものを加える” ことのどちらが可能でしょうか。
そんな事を考えながら読んでいると、先の展開が気になって仕方がありません。
ちなみに12巻で、決して自分を反省しない女和代が、ほんの少しだけ反省しかけるシーンがあります。
このシーンがあるためますます、今後の和代から目が離せなくなっちゃいました。
気になる方は、こちらのコミックサイトをチェックしてみてください。
《まんが王国》
*ワタシ以外と検索してくださいね。
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