『妃教育から逃げたい私』は、2021年現在ネットでは、2巻まで配信されています。
妃教育が苦痛でたまらないレティシア。
すきあらば逃げ出すことばかり考えている。
でも王子が嫌いなわけじゃない。
そんな彼女を愛してやまない王子クラーク。
その一途な想いはレティシアに届くのか。
この物語は 二人の ”追いかけっこ” がストーリー展開の軸になっています。
二人の ”追いかけっこ” は、レティシアが婚約破棄が実現したと思いこんだことがきっかけで始まります。
恋愛ものでよくある、じらされてイライラする類のものじゃなくて、いつまでも見ていたい気持ちにさせてくれる、なんとも微笑ましい ”追いかけっこ” なんです。
追う側のクラーク王子は、ただのしつこいストーカではありません。
思いやりがあり、穏やかで、懐の深い彼ですが、レティシアだけは諦められないのです。
実は、彼の一途さは、年季が入っているのです。
この事実は、物語の構成上重要なポイントなので、ネタバレは控えさせてください。
一方、追われる側のレティシアは、純粋に自由を求めることしか頭にありません。
7歳から妃教育がはじまって以来10年もの間、恋愛経験ゼロの彼女。
クラークがいくら口説こうが彼女の耳には全く届いていませんでした。
しかも、クラークの顔さえろくに見ていなかったという事実があとになって発覚します。
そんな彼女ですから、捕まっても捕まってもひたすら逃げようとします。
でも、”追いかけっこ” を通して、彼女の心情に変化の兆しが‥‥。
この展開が、物語の一番の見どころになります。
恋の行方はさておき、いつまでもこの ”追いかけっこ” を見ていたい気持ちにさせるほど、二人はいいコンビなのです。
”率直” で ”溌剌” とした、自由を愛するレティシアを応援したくなりますが、クラーク王子の ”諦めない健気さ” や、”懐の深さ” も魅力的。
二人の未来は、幸せであってもらいたいものです。
細かな描写も豊富なので、隅々まで読んで味わい尽くしたい作品です。
何よりも、こんなにも幸せな読後感を味わったのは、久しぶりでした。
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《ebookjapan》
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