訳ありエリートの藤部長。
収入の安定だけを目当てに、うかつにも警官になってしまった新米婦警の川合。
二人が出会ったとき、時と場所を選ばない本音炸裂の、最強コンビが誕生した。
「テーマ」と「構成」を扱う作者の手腕がすごい
挙げればきりがない、『ハコヅメ』の魅力。
今回は、「テーマ」と「構成」を紹介します。
両方とも、今までありそうでなかった、新しい視点から作られています。
2018年4月からっとでの配信が始まって以来、根強い人気を保ち続ける秘密がここにあります。
『ハコヅメ』のテーマ
- 使命に駆られた熱い刑事の心意気。
- 凶悪事件を引き起こす人間の心の闇。
よく聞くありがちなテーマです。
警察が舞台の物語というと、”刑事や犯人の人間性” や、”事件そのもの” に焦点を当てたものが多いなか、『ハコヅメ』は、一味違います。
警察官の日常そのものに焦点を当てているのです。
「警察官の日常の、きれい事じゃないリアルの暴露」
今までありそうでなかったテーマ設定です。
ですから、一番の見どころは、二人の本音が炸裂するシーンなんです。
二人の本音トークは、「人をスッキリさせる笑い」と、「ちょっと考えさせる要素」が入り混じった、今までにない味わいに溢れたものになっています。
”本音が持つおかしさ” を、”深い共感を伴う笑い” にまで飛躍させた、作者の見事な手腕。
これこそが『ハコヅメ』の醍醐味です。
『ハコヅメ』の構成
この作品の構成は、警察官の日常の細かな描写をベースに、ころあいを見て、一つの事件をロングシリーズとして取り上げ、数話に渡って続ける、という流れになっています。
始めのうちは、主要人物たちの言動から、人物像を探るしかないのですが、ロングシリーズの中で、彼らの背景や過去が少しずつ明らかになっていくのです。
この構成のおかげで通常業務の話に戻ったときに、より一層キャラクターたちへの親近感が増します。
一話完結型の通常業務の話は、「ほんの些細な事案」から「重要事案」まで、警察官が日々どんな立場に立たされ、どんな思いをしているかが丁寧に描かれます。
率直に、軽やかに、時には辛辣に、笑いと涙を織り交ぜながら、共感を呼ぶ作品にまとめ上げた作者の手腕にいつも驚かされます。
「こんな漫画見たことない」と思わずつぶやいてしまうはずです。
まとめ
警察官のリアルな日常を率直に描き、笑いに転換する、という「テーマの魅力」。
単調になりがちな通常業務エピソードに、ときどき ”特定の事件” の解決までの話をはさみ、同時に主要人物たちの背景も描く、という「構成の魅力」。
今回は、2つの魅力を紹介しました。
おかしさ、せつなさ、辛辣さが入り交じる、魅力溢れる作品『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』。
すべての方におすすめします。
『ハコヅメ~交番女子の逆襲~』が気になってすぐに読んでみたい方は、僕がいつも利用している電子コミックサイト「まんが王国」をおすすめします。こちらからどうぞ。
*ハコヅメと検索してくださいね。
コメント