『センコウガール』は、裏サンデー女子部で絶大な人気を誇ったミステリー作品です。(5巻完結済み)
人気者で優等生の七子(ななこ)が死んだ。
時を同じくして、3ヶ月ぶりに学校に姿を現した・民子。
クラスのみんなが驚いたことには、彼女は何かから解き放たれたかのように、別人になっていた。
そして、三人のクラスメートに向けられる、民子の狂気。
七子の自殺と関係があるのか。
民子の真の目的は何か。
この作品は、単なるミステリーでも、いじめを題材にした学園ものでもありません。
狂気とも思える民子の言動をきっかけに、心に闇を抱えた少女たちがどう変わっていくかを描いた、心の再生ドラマとでも言うべき傑作です。
登場人物たちのキャラクター設定が実に綿密で、悩みを抱えるリアルな人物像に自分を重ねてしまう方もいるかもしれません。
外見の美しさにしか興味が持てない英子(ふさこ)
自分の存在理由が失われたと思い込み、ひがみ続ける隼子(としこ)
何に対しても興味が持てず、空っぽな心を持て余す曜子(ようこ)。
主人公・民子は心の底から欲しかった2つのものを求めて、3人を標的にします。
英子(ふさこ)と隼子(としこ)を追い詰める民子の姿に迷いはありません。
獲物をめがけて一直線に追う獣のように一切の躊躇を見せません。
ここに民子のただならぬ決意と覚悟が感じられます。
民子が心から求めた2つのものは、この物語の全体を貫くテーマであるため、巻を重ねるごとに徐々に明らかになってきます。
そして最後には、話の序盤からは想像もできない結末が待っています。
民子の放つセンコウ(閃光)は、少女たちを心の呪縛から解き放つのか。
最後まで一気に呼んでもらいたい作品です。
心にずしりと重い宿題が残ったような読後感でしたが、一種独特な晴れやかな世界観とともに、僕にとっては忘れられない作品になりました。
特に、人には言えない悩み(心の闇)を抱えたすべての方たちにおすすめします。
気になる方は、こちらのサイトをチェックしてみてください。
《まんが王国》
*センコウガールと検索してくださいね。
コメント