『わたしの幸せな結婚』は、シリーズ累計200万部突破の和製シンデレラストーリーです。
2022年現在ネットでは、3巻まで配信されています。(分冊版は20巻まで配信されています)
異能の家系に生まれながらその能力を受け継がなかった美世。
実の母が亡くなってからは、継母と異母妹に虐げられる日々を送っている。
そんなある日、異母妹に異能の才が認められ、美世はますます家庭内での居場所をなくしていく。
頼みの父親からも見放された美世は、自尊心をも失ってしまう。
”何かがきっかけでイジメや迫害を受け、自尊心を失う” という経験は、個人レベルから人種差別にいたるまで、世界中で日常茶飯事に起きていることです。
決して他人事ではない問題です。
当事者も、第三者も、機会があれば真剣に考えるべき問題です。
この問題の解決の鍵は、やはり「愛」や「思いやり」です。
この作品では、その「愛」や「思いやり」のあり方の、一つの例を見ることができます。
美世は追い出されるようにして、冷酷無慈悲と噂される久堂家の当主、久堂清霞(くどうきよか)のもとに嫁がされます。
一見冷酷に見える彼の、心の底の人間性がこの物語の肝です。
美世は、清霞との出会いにより自分の運命を大きく変えることになります。
美世は、清霞の思慮深さ、精神の穏やかさ、真の優しさなどに触れ、ほんとうの意味で強くなり、再生していくのです。
清霞(きよか)のような人間こそが、美世のような人間に、ほんとうの意味での力を与えられるのだと思います。
美世が再生するにあたって、特に重要だった清霞の力は、主に次の2つです。
- 相手を冷静に分析する力。
- 相手の立場に立ってものを考える力。
この清霞の力によって美世はどれほど救われたか。
ちなみに、冷酷無慈悲と噂の清霞は実のところ、単に女性に慣れていない不器用な男に過ぎなかったのです。
この清霞の人間性に触れるだけでも、この作品を読む価値があります。
清霞は冷酷無慈悲どころか、実に ”人間らしい魅力” と ”頼もしさ” に溢れた人物なのです。
これより先は、あなたの目で確かめてみてください。
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