『グランマの憂鬱』ネタバレと感想 = グランマの言葉はなぜ人の心を打つのか。グランマが教えてくれる、人を指導する上で大切なこと。=

霧のかかった山 ヒューマンドラマ
漫画『グランマの憂鬱』の主人公・ミキおばあちゃん

あなたはこの作品をご存知でしたか。


僕は、『花のあすか組!』の高口里純先生がこんな素敵な作品を書いていらっしゃったなんて知りませんでした。


ヒロインは、百目鬼(どうめき)村の女総領・グランマこと百目鬼ミキ


グランマ・ミキの「いっぽん筋の通ったものの見方」、「人生観」に周りの人間達が救われるお話です。


今回は、なぜグランマ・ミキの言葉に皆が納得するのか、その秘密を紹介します。


グランマの ”愛ある一喝” の秘密

時には相手を一喝する厳しさも見せるグランマ


彼女の厳しくも優しい ”愛の喝” は、多くの悩める現代人を救ってくれます。


彼女の言葉はなぜ人に受け入れられるのでしょうか。




ちょっと想像してほしいのですが、もしもあなたが、目上の者から指摘されたことが正しいとはわかっていても素直に従えなかったり、納得できなかったりするとき、それって何が原因なんでしょうか。


逆に、自分が部下や目下の者を指導する立場だった場合に、相手に自分の言葉を素直に受け入れてもらうには、どうしたらいいのでしょうか。


そんなときグランマの態度がとても参考になります。


グランマの言葉が人の心にしみるのには理由があります。


彼女のお説教の特徴は、相手を否定せず考えさせるというもの。


頭ごなしに叱るのではなく、気づかせるというものなんです。


つまり相手が我が身を振り返る、きっかけを与えるのです。


お説教を受けた者は、我が身を振り返り、自ら感じ方や考え方を変えていくのです。




この方法は、相手に対する思いやりが必要になりますが、グランマはこれを自然に実行しています。


相手に気づかせるために、”必要なことを、必要なときに、必要なだけしか言わない”。


これが、グランマの言葉が人の心にしみる秘密です。




そしてもう一つ、グランマは柔軟な精神の持ち主で、時代の変化に飲まれることもなければ、遅れを取ることもないんです。


ですから、どんな世代の人間に対しても偏見というものが一切ありません。


そんなグランマですから、誰もが、彼女の言葉を素直に受け入れることができるのです。


彼女の態度からは、多くのことが学べます。




ここでちょっと、グランマの精神の特徴を挙げてみます。

  • まずは相手を受け入れる包容力がある
  • 人の話を丁寧に大切に聞く思いやりがある 
  • その場の感情に左右されない精神的余裕がある
  • 人と本気で向き合う覚悟がある
  • とにかく、一本筋の通った人間性である

このように、心からカッコイイと思える人間の条件を持ち合わせているのが、この物語の主人公・グランマことミキさんなんです。


もしもあなたが指導的立場にある方でしたら、グランマの物語はきっと参考になると思います。




この物語の展開の中心は、グランマの「ぶれない生き方」が周りに与える影響ですが、グランマと孫の亜子ちゃんとの微笑ましいやりとりも見どころの一つです。


いつまでも心に残る、何度も繰り返して読みたくなる、珠玉の作品です。


爽快な読後感を得たい方におすすめします。


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