児童相談所に勤める主人公・夏目アラタは、バラバラ殺人事件の遺族からの依頼を受け、いまだ見つからない遺体の一部のありかを聞き出すため、死刑囚・品川真珠(しながわ まじゅ)と会う。
面会室は、言わば密室。
アクリル板一枚隔ててアラタと真珠は対峙する。
真珠が立ち去ろうとしたその瞬間、アラタが思わず口にした言葉。
「俺と、結婚しようぜ !!」
この瞬間、アラタと真珠のアクリル板越しの駆け引きが始まる。
アラタの目的は、被害者の遺体のありかを探ること。
でもそれには、真珠の素顔を暴くしかない。
真珠の「真実の姿」を解く鍵は、真珠という人間を形成した彼女の過去にあると感じたアラタ。
アラタは真珠にどこまで迫れるのか。
一方真珠は、「結婚」という言葉をきっかけに、アラタに興味を持ち始める。
真珠はアラタに何を求めているのか。
真珠の目的はなにか。
この作品は、良質のエンターテインメントとして、読者の期待を決して裏切ることはありません。
密室の面会室から始まるストーリ展開。
あなたをハラハラさせます。
アラタと真珠の駆け引きから生まれる、謎。
あなたを物語に引き込みます。
またこの作品は、単純な勧善懲悪ものでもなければ、純粋な謎解きミステリーでもありません。
”善と悪の本質” について考えさせられ、人間の ”心の機微” に胸を打たれる、心理ドラマなのです。
でも、なんと言ってもこの作品の醍醐味は、ヒューマンドラマとして読める点にあります。
「心の闇」を抱えた一人の女、真珠。
その闇に翻弄されながらも、真実を追求する一人の男、アラタ。
人間の ”残酷さ” と ”悲しさ” を真摯に捉えた、珠玉のヒューマンドラマなのです。
つまり、一言で言って、『夏目アラタの結婚』は、傑作です。
- 読み始めたら止まらなくなる娯楽性。
- 物語を最後まで見届けずにいられなくなるドラマ性。
『夏目アラタの結婚』は、ジャンルを超えた稀有な作品です。
すべての方におすすめします。
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