『死役所』 ネタバレ =後悔先に立たず。人の死を考えることは、人の生を考えることに通じる=

霧のかかった山 ヒューマンドラマ
漫画『死役所』の主人公

『死役所』は、2019年にはドラマ化もされ、未だに根強い人気を誇る作品です。

2022年現在ネットでは、19巻まで配信されています。(【分冊版】は100巻まで配信されています。)



主な舞台は「死役所」。



そこは、成仏するために必要な手続きを行う所。



すべての死者がそこを訪れ、”天国行き” か ”地獄行き” か、あるいは ”冥途の道をさまよい続ける” かが決められるのです。



この作品のテーマは、”死んだ人間、残された人間は死をどう捉えるか” です。

そして、「」について深く考えることは、「」について深く考えることに通じる、と気づかせてくれます。



つまり、普通の人々の「死の事情」を描くことで、「人の生き方」を問う作品なのです



「死役所」を訪れる死者職員の対話を通して、誰の身にも起こり得る「」について深く考えるきっかけを作ってくれます。



構成は、一話完結型で、ひねりの効いた小話のようで、淡々と話が進んでいきます。



この淡々としたストーリ展開が、読者に考える余裕を与えてくれるのです。



そして、主人公・シ村の ”本心の読めない語り口”、”型にはまった営業スマイル” が独特の世界観を作り上げ、とても印象的です。





死役所」を訪れる死者たちの死因に関しては、いじめ、虐待、事故、自殺など、我が身に置き換えて考えやすい身近なエピソードが多いことも特徴の一つです。

一つのエピソードが終わるごとに、人生における大事な問いかけを一つされたような想いに駆られます。



この作品の評価は賛否分かれているようですが、普段はあまり意識することのない「」についてじっくり考えてみたい方にはおすすめです。



幸せな読後感” や ”爽やかな読後感” は望めませんが、心に残るエピソードが多いことは確かです。



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《まんが王国》

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